ロードバイクのワイヤー交換について
2020年もいよいよ終わりに近づく中で、ロードバイクの総点検をしてみた方も多いのではないでしょうか。
さまざまなパーツを点検していくと意外なところに不具合が見つかって、パーツ交換やメンテナンスの必要性が生じます。
そこで今回はロードバイクのブレーキやシフトに使われているワイヤーの交換について詳しく解説していきます。
ワイヤーを交換するタイミングは?
ロードバイクのワイヤーを交換するタイミングとしては「走行距離」「使用期間」「状態」などさまざまな目安が挙げられます。
例えば、走行距離ですと「4,000?5000km」で交換するといった目安もありますし、1年?1年半ぐらいのペースで交換するという考え方もあります。
最も判断しやすいのがワイヤーの「状態」を見るという方法で、ワイヤーに「ほつれ」や「サビ」が出てきたり、シフトやブレーキの動作が重く感じたりした際に交換をしていきます。
さまざまな考え方がありますが、ワイヤーがフレームの外側を通っている外装式であれば、ワイヤーの状態を観察しやすいので「状態」を目安に交換するのがおすすめです。
ワイヤーがフレームの内部を通るタイプだと、状態を判別するのが難しいので、ある程度距離や期間を決めて定期的に交換していくといいでしょう。
寿命を迎えたワイヤーで走行していると、途中でワイヤーが切れたりして大変危険です。
細かくロードバイクを観察しながら適切なタイミングでワイヤーを交換してください。
ワイヤー交換で用意する工具
ワイヤー交換では主に以下の工具が必要になります。
【必要な工具】
・ワイヤーカッター→ワイヤー、アウターの切断
・六角レンチ→ディレイラー、ブレーキからワイヤーを取り外す
・ラジオペンチ→エンドキャップを潰す
・ピック(先端が尖った物)→アウターの形を整える
特に、ワイヤーカッターについては購入した方がいいでしょう。
ニッパーでもワイヤーを切断することは可能ですが、やはり専用工具でないとかなりの力が必要になってしまいます。
ワイヤー交換の手順
ワイヤー交換の手順を解説していきます。
ここでは「ブレーキ」と「シフト」それぞれの交換手順を紹介するので、参考にしてみてください。
ブレーキワイヤーの交換
ブレーキワイヤーの交換手順は下記の通りです。
①ブレーキからワイヤーを取り外す
②バーテープを剥がす
③ワイヤーをブレーキレバーから引き抜く
④アウターを交換する場合は適切な長さにカットし、断面を整える
⑤ワイヤーを元の通りに通していく
ブレーキにワイヤーを固定して適切な長さでカットする
⑦エンドキャップを取り付け、バーテープを巻く
このような流れになります。
アウターに問題がないようなら、ワイヤーだけ交換して、アウターを流用することも可能です。
アウターも交換する場合は長さに注意してください。元々使っていたアウターの長さに揃えるのが無難ですが、ケーブルラインを微調整する場合はハンドルを切っても余裕がある長さにしてください。
シフトワイヤーの交換
シフトワイヤーの交換手順は下記の通りです。
①ディレイラーからワイヤーを取り外す
②バーテープを剥がす
③ワイヤーをシフトレバーから引き抜く
④アウターを適切な長さにカットして、断面を整える
⑤ワイヤーを元の通りに通していく
⑥ディレイラーの調整を行う
⑦ワイヤーの張りなどを確認して、ディレイラーに固定し適切な長さでカットする
⑧エンドキャップを取り付け、バーテープを巻く
シフトワイヤーを交換する際は、ワイヤー交換と同時にディレイラーの調整も行う必要があります。
また、シフトレバーやディレイラーのワイヤーの通り方はメーカーやグレードによって異なるので取り外す際に確認したり、パーツごとのマニュアルをチェックしたりしてください。
ワイヤーを長持ちさせる方法
ロードバイクのワイヤーをより長持ちさせるには「メンテナンス」と「保管状況」の2点を抑えてください。
メンテナンスに関してはワイヤーに適宜オイルを挿して潤滑性を高めることで、摩擦による消耗を抑えることができます。
アウターとワイヤーが干渉する部分や、ブレーキやディレイラーの固定部分など、使用する中で擦れる部分に注油してください。
そして、室内で保管することでワイヤーのサビを最大限防止できます。
やはりサビが生じる最も大きな原因は屋外での保管と言えるでしょう。
室内で保管するだけで雨風や湿気から守ることができます。
まとめ
他のパーツと比較しても注目する機会が少ないワイヤーですが、当然ながら消耗部品の1つなので適切なタイミングで交換しなければなりません。
ワイヤー自体の状態やブレーキやシフトの動作などを観察しながら、適宜交換してロードバイクを良い状態に保っていきましょう。