SST(Sweet Spot Training)で効果的にレベルアップしよう!
短い時間でパフォーマンスを上げるにはHIIT(High Intensity Interval Training)に代表される「短時間かつ高強度のインターバルトレーニング」が最適ですが、強度が高すぎて続けられないという人が多いでしょう。
逆に、LSD(Long Slow Distance)といった「低強度で長時間」のトレーニングもありますが、休日以外で時間を確保するのが難しいのがデメリットです。
そんな中、適度な時間と強度で確実な効果が得られるトレーニング方法が「SST(Sweet Spot Training)」です。
今回はSST(Sweet Spot Training)について詳しく解説していきます。
SST(Sweet Spot Training)とは?
SST(Sweet Spot Training)は、FTP(1時間出力し続けられるパワーのこと)の88%~94%程度の強度で行うトレーニングのことです。
例えば、1時間継続できるパワーが200Wの場合、この人のSweet Spotは「200W×0.9(90%)』=180W」となります。
こういった基準で算出される強度を維持しながらトレーニングを行っていきます。
SST(Sweet Spot Training)を行うメリット
SST(Sweet Spot Training)を行うメリットとしては以下の3つが挙げられます。
①負荷が高すぎず継続しやすい
②効率的な負荷で成長しやすい
③長く速く走る能力を身につけられる
では、それぞれみていきましょう。
負荷が高すぎず継続しやすい
トレーニングで効果を出すためには強度の高い運動をしなければなりませんが、強度が高すぎると続けるモチベーションが下がりやすくなりますよね。
SST(Sweet Spot Training)は、FTP(1時間出力し続けられるパワー)の約90%の強度なので、適度なキツさでトレーニングが行えます。
続けやすい強度ですし、トレーニング効果もしっかりと出すことができます。
HIITほどではありませんが、短時間で終えられるので忙しい方でも実践しやすいでしょう。
無理なく強度を確保したトレーニングがしたい方におすすめです。
効率的な負荷で成長しやすい
SST(Sweet Spot Training)は、心肺機能や筋力を向上する上で効果的な強度のトレーニングを行うことが可能です。
SSTによってかかる負荷は筋肉に乳酸が溜まるギリギリのラインになっており、適度に筋肉を追い込みながら、酸素を筋肉に送る能力も高められます。
短い時間で効率的に負荷をかけて巡航能力やヒルクライム能力を高めることができるトレーニングです。
長く速く走る能力を身につけられる
SSTの基準になっているFTPですが、これはサイクリストの基礎能力と考えることができます。
FTPが高いほど長く速く走り続けられるということです。
SSTを続けることでFTPの向上が見込めるので、トレーニングを続ければ続けるほど、自分のレベルをより上げることができるでしょう。
”Sweet Spot”の見つけ方
では、SST(Sweet Spot Training)における「Sweet Spot 」の見つけ方について解説します。
自分の「Sweet Spot 」を知って、トレーニング強度の基準にしてみてください。
FTPを測る
Sweet Spot の基準になるのがFTP(1時間出力し続けられるパワー)なので、まず最初にFTPを計測しなければなりません。
FTPの計測にはパワーメーターやスマートトレーナー、スピンバイクなどを使いましょう。
単純なやり方としては1時間追い込むように走って、平均の出力を計算するというやり方ですが、1時間も追い込みながら走るのは難しいでしょう。
なので、20分間の全力走を行うというやり方もあります。この場合は、算出された平均出力の95%の値がFTPとなります。
Sweet Spotのレベルを計算する
FTPが算出できたら自分のSweet Spotレベルを計算しましょう。
Sweet Spotレベルは「FTPの約90%」として計算してください。
セット数を決めてメニューを組む
Sweet Spotが計算できたら具体的なトレーニングメニューを組んでいきます。
「10分×4セット」「20分×2セット」「20分×3セット」などを決めて、Sweet Spotの強度を維持しながらトレーニングを行ってください。
SST(Sweet Spot Training)がおすすめな人
SST(Sweet Spot Training)がおすすめなのは以下のような人です。
・トレーニングに長時間割けない人
・上りや平地巡航ですぐに踏めなくなる人
このトレーニング自体は1時間程度と短い時間で行えるのが特徴なので、仕事などが忙しくトレーニングの時間が確保できない人に向いています。
また、SSTはFTPの向上も見込めますし、基礎となる能力が鍛えられるので、上りで踏める時間を長くしたり、長時間の平地巡航でも脚を残せるフィジカルを作り上げられるでしょう。
まとめ
ロードバイクのトレーニング方の1つ「SST(Sweet Spot Training)」について解説しました。
SSTは短い時間で適度に追い込みながら、効率的にパフォーマンスアップが狙えるトレーニング方法となっています。
パワーメーターなど出力を計測できるデバイスを所有している人は、ぜひ試してみてください。