サドル・ハンドルを見直して最適なポジションを手に入れよう!
ロードバイクにおいて「ポジション調整」は、乗り続ける中で常に向き合っていくことでもあります。
単に体格に合うポジションに設定すればいいだけでなく、走る中で筋力や柔軟性が変化するに伴って最適なポジションは常に変化していきます。
「自分にとって今のポジションが正しいのか?」と常に疑問を持ち続けながら、微調整と改善を繰り返していくのが大切です。
そこで今回はポジション調整に深く関わるパーツについて解説していきます。
「サドル」について
ロードバイクに乗る中でお尻の痛みを感じる場合、サドルが合っていない可能性が高いです。
しかし、サドル自体の形状や固さが合わないのか、取り付け位置や高さが合っていないのかを判断するのは難しいでしょう。
まずは、ロードバイクにおけるサドルの種類を把握していき、サドル周辺で調整可能な部分について解説していきます。
サドルの種類
サドルの種類は主に以下の項目で分類できます。
・横幅
・座面の形状(縦・横)
・穴あきかどうか
・パッドの厚み
それぞれの特性については以下のようになっています。
【サドルの横幅】
●広い:体重が重い人向け、骨盤が広い人向け
●狭い:体重の軽い人向け、骨盤が狭い人向け
【座面の形状】
●前後に反っている:身体の硬い人向け
●前後にフラット:身体の柔らかい人向け
●左右に丸みがある:腰の位置を変えやすい
●左右にフラット:腰の位置が安定する
【穴あき】
●穴あき:股間部分の痛みを緩和する
●穴なし:―
【パッドの厚み】
●厚い:負担が軽い、ペダリングが安定しない
●薄い:負担は高い、ペダリングは安定する
体格やスタイル、ペダリングの特性、筋力、柔軟性など、さまざまな点を考慮して、自分に合うものを選ぶといいでしょう。
まずは、自分の使っているサドルの特徴を把握して、それを基準に考えてみるのがおすすめです。
サドル周辺のポジション調整
サドル周辺では主に以下の3点の調整ができます。
・サドルの高さ
・サドルの位置(前後)
・サドルの角度
「サドルの高さ」は一番最初に行うポジション調整かもしれません。
簡単な目安としては、ペダルがサドルから最も遠い位置(5時ぐらいの位置)に合わせたとき、かかとをペダルに乗せて足が真っ直ぐ伸び切る高さが良いとされています。
「サドルの位置」は、サドルの取り付け位置を前後に動かすことで調整を行います。
目安としては、ペダルを地面と平行(3時の位置)にしたときに膝とペダルが地面と直角になっているのが良いとされています。
「サドルの角度」については、基本的にフラットで構わないのですが、より前傾姿勢を取りたい方やお尻を安定させたい場合など、微妙に角度を変えるとフィーリングの変化が感じられます。
この3つのポイントを微調整しながら、自分にとって最適なサドルのポジションを決めてみましょう。
「ハンドル」について
ハンドルもポジション調整において重要な箇所となります。
高さや距離、角度といった調整だけでなく、ハンドル自体の種類によっても乗り味は大きく変化します。
こちらについてもハンドルの種類や調整できる範囲を詳しく見ていきましょう。
ハンドルの種類
ロードバイクのドロップハンドルは主に以下の項目で分類できます。
・ハンドルの横幅
・リーチの長さ
・ドロップの落差
・ドロップの形状
以下の表にそれぞれの項目の特性をまとめました。
【ハンドルの横幅】
●広い:脇を開くポジション、安定感がある、ダンシングがしやすい
●狭い:脇を締めるポジション、空力に優れる
【リーチの長さ】
●長い:前傾姿勢
●短い:上体を起こした姿勢
【ドロップの落差】
●大きい:深い前傾姿勢
●小さい:浅い前傾姿勢
「ハンドルの横幅」は、乗車時の手の位置や腕の開き具合を決めるため、体格に合ったものを選ぶ必要があります。
一般的には「肩幅+1cm」を基準に選ぶ必要がありますが、「ハンドル幅=肩幅」にすることで脇を締めた安定したポジションで走ることが可能です。
一方、肩幅よりも広いハンドルを使用すると、脇を開いたポジションとなり、安定感が高まるため初心者の方などにはおすすめです。
「リーチ」とは、ハンドルのフラット部分から先端部分までの長さのことで、これが長いほどより前傾姿勢を取ることが可能です。
同様に「ドロップの落差」が大きいほど、下ハンドルを握った時に深い前傾姿勢を取ることができますが、これをやるには身体の柔軟性が必要です。
初心者の方や楽しく走りたい方などは、あまり前傾姿勢を取りすぎないハンドルをおすすめします。
ドロップ部分の形状は以下の3つに分かれます。
・シャロー
・アナトミック
・アナトミックシャロー
「シャロー」タイプは、主にクラシックなクロモリバイクなどで使われるハンドルで、リーチ部分・ドロップ部分の落差が激しく、それによって下ハンを握った時により深い前傾姿勢を取ることが可能です。
「アナトミック」「アナトミックシャロー」は、リーチ部分がフラットに近い形状になっており、ドロップの落差も抑えてあるのが特徴なので、初心者の方はこちらから選ぶのが無難です。
ハンドル周辺のポジション調整
ハンドル周辺では主に以下の3点の調整ができます。
・ハンドルの距離
・ハンドルの高さ
・ハンドルの角度
「距離」と「高さ」の2点については、ステム部分で調整を行っていきます。
当然ながら、ハンドルまでの距離が遠く、位置が低いほど、空力を意識した前傾姿勢を取ることができます。
ハンドルの角度によって、前傾姿勢を作ることも可能です。
細かく微調整をしながら身体への負担と空力、乗車フォームのバランスを取ってみましょう。
まとめ
ポジション調整を構成する要素を挙げて、各パーツのサイズや特性を把握していくと、狙ったポジションに辿り着くために必要な作業が理解できます。
今自分が乗っているポジションを基準において、走りながら問題点を思い浮かべながら、より良いポジションにするには、何をどうすればいいのかを考えてみましょう。