コラム

サイクリストはオフシーズンに休むと体力はどれぐらい低下する?

寒い冬もようやく終わり、暖かい春を迎えようとする中、本格的にサイクリングを再開しようと意気込んでいる人も多いでしょう。

気温が低い冬の間はオフシーズンにして、自転車には全く乗らないような生活を送っていた人は、久しぶりのサイクリングにワクワクしているかもしれません。

しかし、オフシーズンに休み過ぎていた場合に気になるのが「体力の低下」です。

週に1度など定期的なサイクリングによって維持されていた体力が、オフシーズンの休養によってどれだけ落ちるのか気になりますよね。

そこで今回はサイクリストはオフシーズンに休むと体力がどれぐらい低下するのか調査していきます。

オフシーズンに休むとどれぐらい体力は低下する?

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激しいトレーニングを継続した後には、休養期間が必ず必要になりますが、休む期間が長くなりすぎると体力の低下を招いてしまします。

今回はジョー・フリール氏が研究論文などを参照しながら執筆したブログRUCKの記事から、休養期間による体力低下の影響を紹介していきます。

休んだ期間によって体力がどのように変化するのか見ていきましょう。

能力の低下は3〜5日の休養で始まる

1〜2日程度の休養であれば疲労から回復し、コンディションを整えることができるのですが、3日以上休んでしまうと、体力の低下が始まると言われています。

具体的には、血液が酸素を運ぶ能力が低下してしまい、心拍数の上昇や酸素供給不足による持久力の低下を招きます。

10日以上休むと持久力が低下する

休養期間が10日間を過ぎてくると、VO2Max(最大酸素摂取量)が低下すると言われています。

体内に酸素を取り込む能力が低下し、摂取した酸素を運搬する能力も落ちていくため、持久系のパフォーマンスが落ちていきます。

3週間休むと有酸素運動能力が大幅に低下する

休んだ期間が3週間以上と長期に渡った場合、有酸素運動に関わる数値が大幅に低下すると言われています。

この状態で走ってしまうと、いつもより早く息切れしてしまいますし、身体も疲れやすくなっています。

冬の期間は走らないという3週間休むと有酸素運動能力が大幅に低下する人も多いかもしれませんが、1ヶ月以上のオフを作ってしまうと身体能力はかなり低下してしまうので、別の運動を定期的に行いながら体力を維持するようにしましょう。

体力を元に戻すのにはどれぐらいかかる?

次に気になるのは「一度落ちた体力はどれぐらいで回復するのか」ですよね。

冬の間だけでなく仕事などの都合で長期間自転車に乗れないケースも多いはずです。

では、低下した体力を戻すのに必要な期間について詳しく見ていきましょう。

ホビーレーサーでも休んだ時間以上のトレーニングが必要

プロのレーサーだけでなく、ホビーレーサーの方のように高強度のトレーニングでパフォーマンスのピーキングをする場合には、休んだ期間以上のトレーニングが必要になります。

トッププロでも2ヶ月間の休養後にピークを取り戻すには4~5ヶ月を費やすとも言われているため、ホビーレーサーでもそれに近いイメージでコンディションを整えていく必要があります。

ロングライドメインなら比較的早く戻る

ロングライドをメインで走るような方であれば、持久系の能力は大幅に低下しているものの、運動時の強度もそれほど高くはないので、戻すのにそれほど時間はかからないと考えられます。

自転車に乗る感覚を思い出しながら、少しずつ身体を慣らしていけばすぐに元に戻せるでしょう。

長期間休んでからサイクリングを再開するときのポイント

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冬の間など長い間自転車に乗らなかった後にサイクリングを再開する時のポイントを解説します。

焦って体力を戻そうとすると怪我の原因にもなるので、無理なくパフォーマンスを上げていきましょう。

サイクルトレーナーで脚慣らしをする

まず最初にサイクルトレーナーなどの室内トレーニングで、脚の筋肉を中心に身体を慣らしていきましょう。

実走でもいいのですが、自転車に乗る感覚を忘れつつある中で外を走るのは危険を伴う場合もあるので、最初は室内でトレーニングをするのがおすすめです。

自転車に乗る感覚を思い出しながら徐々に強度を上げてみてください。

近所をゆっくりと走る

久しぶりに外を走る時には、あまり遠出をせずに近所をゆっくりと走るところから始めましょう。

いきなりロングライドをすると身体や自転車にトラブルが起きた際に困るので、まずは焦らずにサイクリングを思い出すことから始めてください。

まとめ

オフシーズンに休むと体力がどれぐらい低下するのかについて紹介しました。

自転車に乗らない期間を作ってしまうと、持久力を中心にパフォーマンスがガクッと下がってしまいます。

自転車に乗れない場合でも、筋トレやランニング、その他の運動を通じてできるだけ体力を維持できるようにするのがおすすめです。

【参考】
Joe Friel’s Blog・『Never Miss a Workout』
http://www.joefrielsblog.com/2011/04/never-miss-a-workout.html
Six things you need to know about… detraining
https://roadcyclinguk.com/how-to/six-things-you-need-to-know-about-detraining.html#YXxkXTIKfiOOBMLs.97

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