“シミー現象”ダウンヒルでハンドルが揺れる現象について解説
ダウンヒルなどで高速域での走行をしているとハンドルがブルブル揺れたという経験したことがある人も多いのではないでしょうか。
実はこのハンドルが揺れる状態は「シミー現象」と言い、ひどい状態になると制御不能になってしまいます。
カーブで曲がりきれずに落車や衝突を起こして、致命的な事故に繋がる可能性もあるので注意しなければなりません。
今回はダウンヒルでハンドルが揺れる「シミー現象」について解説していきます。
シミー現象とは
シミー現象(Speed Wobble)とは、バイクや自転車、車などの車輪や車軸を含んだ舵取り装置全体に生じる振動のことを指します。
振動が大きくなるにつれて、操縦困難な状況に陥るためカーブを曲がりきれずに落車や事故に繋がってしまいます。
シミー現象は発生する速度に応じて「高速シミー(100~120km/h)」と「低速シミー(40~50km/h)」に分かれており、自転車においては主に低速シミーが該当します。
では、実際にシミー現象が起きている動画を見ていきましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=GMq6WeAuqkUhttps://www.youtube.com/watch?v=GMq6WeAuqkU
こちらの動画では説明欄に細かい説明も書かれていました。
強風の中でのダウンヒルで突然前輪が左右にブレだし、制御不能寸前という状況になったそうです。
車載カメラの映像でもあるので、実際に起きた揺れがリアルに伝わってきます。
動画の方は早めに対処をしたので大事には至りませんでしたが、そのままの状態で走っているとハンドルをコントロールすることができなくなり、そのまま落車や事故に繋がっていたでしょう。
シミー現象の原因
シミー現象は複雑な要素が絡み合って生じるため、原因について明確に特定されているわけではありません。
ただ、妥当な範囲で原因として考えられるものは数多くあるので、どういった場合にシミー現象が生じるのかを理解するためにも確認しておいてください。
路面の凹凸による振動
シミー現象は、何らかの原因によってロードバイク全体に生じる振動が増幅されて制御不能に陥るといった形で生じます。
そのため、路面の凹凸がシミー現象を引き起こす原因になることは十分に考えられます。
舗装が悪い路面や下り坂の速度を抑制するために設置されてある段差舗装など、振動が大きくなりやすい道路はかなりあります。
さらに、ダウンヒルでスピードが上がっている状態だと、ちょっとした凹凸でも大きな振動に繋がると考えられるでしょう。
メンテナンス不良
メンテナンス不良もロードバイクの振動を引き起こす原因として考えられます。
例えば、ステムとハンドルが十分に固定されておらず、走るたびに細かくガタガタ震える状態になっていると、高速域で振動が増幅されてシミー現象が起きる可能性があるでしょう。
その他にも、ブレーキやホイールが左右均等に装着されていなかったり、タイヤの空気圧が高くて路面に反発しやすくなっていたりといった要素も考えられます。
シミー現象を防ぐには?
ダウンヒルでシミー現象が生じるのを防ぐ方法について検討していきましょう。
安全に注意して走るというのはもちろんですが、より具体的な意識を向けることで事故を防いでいきましょう。
路面状況を見ながら速度をコントロールする
シミー現象は、ロードバイクに生じる振動が原因になるため、常に路面状況を考えながら走ることが必要です。
ダウンヒルでスピードが上がっていると細かい凹凸でも、大きな振動が加わるためコントロールが難しくなってしまいます。
視線を前方に向けながらも路面の状況を把握しながら、スピードを制御して安全に下りを走ってください。
走行前に点検をしてガタがないかを調べる
安全に走るためにも走行前の点検を欠かさず行うようにしましょう。
ハンドルやステム、ブレーキ、ホイール、タイヤの空気圧など、ちょっとしたことが原因でシミー現象に繋がるので注意してください。
時間がないという方でも、ロードバイクを軽く揺らすだけでもガタが生じていないかのチェックができます。
重心を低くしながら衝撃を身体で吸収する
路面から加わる振動に対して身体全体で素直に受けてしまうと、振動が増幅してしまいシミー現象に繋がる可能性があります。
なので、ダウンヒルの際には重心を低くしてロードバイクを下方向に抑えるようなイメージを持ちつつ、肘や膝、お尻などを使って振動を吸収しながら走るようにしてみましょう。
荷重バランスについても後ろ方向への意識を持ち、ハンドルばかりに体重が乗らないように気をつけてください。
まとめ
ダウンヒルでハンドルが揺れる「シミー現象」について解説しました。
下りでスピードに乗った状態で制御不能に陥るのは、考えただけで恐ろしいですよね。
安全だと思って走っている中でも突然起きる可能性があるので、ダウンヒルの際はスピードのコントロールはもちろん、路面からの細かいな振動にも意識を向けて事故を未然に防いでいきましょう。