コラム

メンテナンスで使用するケミカルの基本知識を解説

ロードバイクにおいて重要なメンテナンスでは、さまざまな種類のケミカルを使用します。

オイル、パーツクリーナー、グリス、チェーンディグリーザーなど、用途ごとに使い分けが必要で、使い方を間違えると車体を傷める可能性もあるので注意しかねればなりません。

中には、ケミカルの使い方を間違えて失敗してしまったという人も多いでしょう。

そこで今回はロードバイクのメンテナンスで使用するケミカルの基本的な知識を解説していきます。

ケミカルの3つの種類

ケミカルの3つの種類

ロードバイクのメンテナンスに使用するケミカルは用途に応じて3つに分類できます。

  • ・潤滑
  • ・洗浄
  • ・美装

用途によって使用するケミカルの特性が異なるため、正しく選ぶ必要があるでしょう。

では、それぞれのケミカルの用途や主な製品について詳しく解説していきます。

潤滑

「潤滑」は、ロードバイクの動きを滑らかにするために使用するケミカルです。

代表的なのは、チェーンに挿すオイルが挙げられますが、その他にもハブやBBに使われるグリスなどがあります。

オイルやグリスはヌルヌルとした手触りで、摩擦抵抗を減らし、動きを滑らかにすることで走りをよりスムーズにすることができます。

潤滑系のケミカルは主に「粘度」によって分類されています。

粘度の低い潤滑剤は浸透力が高いため、錆ついて硬くなったネジなどを外す際に使用します。

中粘度の「オイル」は主にチェーンの潤滑剤として使われる他、ロードバイクの動く部分に挿すことで動きを良くすることができます。

例えば、シフトやブレーキ、ディレイラーの軸やワイヤーが擦れる箇所などにオイルを挿しておくといいでしょう。

このようなオイルは粘度がそこまで高くないため、走っている次第に落ちていきます。

そのため、定期的な注油を行いましょう。

高粘度の「グリス」は、主にハブやBBなどのベアリングの潤滑に使用されることもありますし、パーツの固定部分に塗ることで錆や固着を防止することもできます。

洗浄

「洗浄」は、フレームやコンポーネントなどのクリーニングに使用するケミカルです。

パーツクリーナーやディグリーザーなどを所有している方も多いでしょう。

洗浄に使用するケミカルは主に「水溶系」と「溶剤系」の2種類があります。

「水溶系」は、フレーム用のパーツクリーナーや中性洗剤などが挙げられます。

汚れに対する攻撃性が低いため、フレームなどの塗装を傷めることなく、クリーニングを行うことができます。

「溶剤系」は、チェーン洗浄に使用するディグリーザーなどが代表的です。

これを分解して落とすため攻撃性が高く、チェーン汚れを落とすのに最適ですが、フレームに付着してしまうと塗装を傷めるので、洗浄液がかからないよう注意しなければなりません。

美装

「美装」は、あまり使用頻度の高くないケミカルですが、主にロードバイクの表面を整えて美しく保つために使用します。

代表的なのは「ワックス」で、フレームなどに使用することで光沢やつやを出し、表面のコーティングによって汚れなどが付着するのを防ぐ役割も果たします。

また、フレームのリペイントなどで使用する塗料も美装系のケミカルと言えるでしょう。

ロードバイクのケミカルを使用するときの注意点

ロードバイクのメンテナンスで使用するケミカルの注意点について解説していきます。

用途通りにケミカルを使っていたとしても、使い方を間違えていると問題が発生してしまいます。

「メンテナンスはちゃんとやっているのにロードバイクが傷んでしまった」とならないよう注意しましょう。

攻撃性の強いクリーナーは周囲にかからないように使用

チェーン洗浄に使用するディグリーザーは、チェーンに付着した黒い油汚れを落とせるほど、攻撃性の強いものになるため、使用の際は他のパーツにかからないようにしなければなりません。

特に、フレームは要注意でディグリーザーが付着すると塗装を傷めてしまいます。

そのため、チェーン洗浄を行う際は、チェーンとフレーム、ホイールの間に新聞紙などを挟んで養生して、各パーツを保護した上でメンテナンスを行いましょう。

ブレーキ周りにオイルが付着しないようにする

リムブレーキにおいてキャリパーの軸の部分にオイルを挿すことで、動きを良くし、タッチを軽くすることができるのですが、その際に、リムやブレーキシューにオイルがかからないようしてください。

オイルは摩擦抵抗を減らして動きを滑らかにするものですが、リムブレーキはリムとシューの摩擦によって減速・停止を行うものなので、オイルが付着すると機能が低下してしまいます。

ブレーキが効かないと事故にも繋がってしまうので、注意しながらメンテナンスを行い、オイルが付着してしまった場合には、パーツクリーナーなどで脱脂を行ってください。

オイルとグリスの使い分け

オイルとグリスはどちらも潤滑系のケミカルですが、粘度が異なるため使用するパーツが異なります。

また、グリスを使っている部分にオイルを挿してしまうと、グリスが溶けて本来の性能を失ってしまうので注意してください。

どの部分にどのケミカルを使用しているかを把握して、メンテナンスを行っていきましょう。

まとめ

まとめ

ロードバイクのケミカルについて解説していきます。

ケミカルの種類や使い方を把握して、正しくメンテナンスを行うことでロードバイクの性能を維持し、パフォーマンスを引き出すことができるでしょう。

ケミカルの使い方によっては大きな失敗を招いてしまうこともあるので、基本的な知識を理解した上で使ってください。

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