サイクリストは骨密度が低い?骨折リスクとの関係性について
「プロサイクリストは骨密度が低い」という研究結果が発表され、自転車界隈で話題を集めています。
プロのサイクリストの多くは骨密度が低く、引退した後も骨密度が回復しないなど、さまざまなリスクについて指摘されています。
私たちのような一般サイクリストにとっても気になるトピックですね。
今回はサイクリストは骨密度が低いという研究について詳しく紹介していきます。
プロサイクリストは骨密度が低いという研究がある
「プロサイクリストは骨密度が低い」という結果を発表したのは、オンラダのHAN応用科学大学のLuuk Hilkens氏らの共同研究です。
プロサイクリストの骨密度を「キャリア序盤」「キャリア中盤」「引退後」で調査した結果、キャリア中盤、引退後で低骨密度の選手が数多くみられたそうです。
現役中はもちろん引退後についても骨密度が回復せずに、さまざまな身体的リスクが生じるという示唆もされています。
プロサイクリストは身体が丈夫なイメージがありますが、意外に身体の内部は脆くなっているのかもしれません。
プロサイクリストの骨密度が低い理由
プロサイクリストの骨密度が低い理由としては主に以下の3つが考えられます。
①骨に負荷のかからない運動を続けているから
②身体作りによって痩せすぎているから
③長時間の発汗によってカルシウムが失われているから
では、1つずつ詳しくみていきましょう。
骨に負荷のかからない運動を続けているから
歩く/走る動作とは異なり、自転車は地面からの衝撃を足で受けない運動でもあるため、骨や関節への負荷が少ないという特徴があるのですが、それが逆に骨を弱くしていると考えられています。
骨密度は栄養摂取だけでなく、運動によって適度な衝撃を加える必要があるため、自転車にばかり乗っていると骨への負荷が小さくなってしまうようです。
日常生活のほとんどを自転車の上で過ごすプロサイクリストであれば、いくら身体を鍛えても骨は弱くなる一方というのは頷けます。
身体作りによって痩せすぎているから
プロサイクリストはレースに向けて身体を絞り込むため、減量による骨密度の低下も懸念されています。
栄養不足が続く状態で骨に十分な栄養が行き渡っておらず、骨が弱くなっていると考えられています。
長時間の発汗によってカルシウムが失われているから
長時間の自転車競技の中で発汗をすることでミネラルが失われ、骨に必要なカルシウムが不足していることも原因として考えられています。
アマチュアサイクリストも骨折リスクに注意が必要?
プロサイクリストと骨密度の関係は、自転車に乗っていることが1つの要因とも言えるため、趣味でサイクリングをしている私たちも無関係とはいえなさそうです。
日常生活での骨折リスクが高める低骨密度を防ぐためにも、サイクリングにどのようなリスクがあるのか把握しておきましょう。
サイクリングばかりだと骨粗しょう症リスクが高くなる
サイクリングばかりをしていると骨に十分な衝撃が加わらないため、骨密度が低下するリスクがあります。
「健康に良い」という絶対的なイメージがあるサイクリングではありますが、骨密度という観点から見ると負荷が不十分と言えるのかもしれません。
骨を強くするためには?
サイクリストが骨を強くするためには以下を実践するのがおすすめです。
・歩く/走るなど骨に負荷をかける運動をする
・カルシウムとビタミンDを摂取する
サイクリングだけでなく、ウォーキングやランニングなど骨に負荷のかかる運動も取り入れるのがおすすめです。
適度なウェイトトレーニングもおすすめですし、さまざまなアクティビティを通じて骨に適度な負荷をかけてください。
また、日常的な栄養摂取においても骨の形成するカルシウムと同時に、カルシウムの吸収を促進するビタミンDを積極的に摂ってください。
おすすめの食品としては「牛乳」や「ヨーグルト」「卵」「サーモン」などです。
まとめ
サイクリストと骨密度の関係性について解説していきました。
自転車競技自体にリスクがあるのではなく、自転車で走るという特性上、骨に負荷がかからないというのが原因なので、ランニングなどの運動で補いながら今まで通りサイクリングを続ければいいでしょう。
サイクリングと骨の関係性について理解をした上で、怪我などの予防をしてみましょう。