コラム

ギア比を最適化して自分に合った走行性を手に入れよう

ロードバイクのカスタマイズを考えるとき「より良いパーツにアップグレードする」だけでなく、「自分に合ったパーツを選ぶ」という視点も大切です。

ポジションやホイールなど走りの質に影響を及ぼす部分を、自分の体格やスタイルに合わせて変えることで、快適さに加えてパフォーマンスの向上も見込めるでしょう。

中でも「ギア比」は乗り手に合った選択をする必要があります。

完成車に付いていたギアをそのまま使うだけでなく、走りながら感じたことをギア比に反映させてみましょう。

今回はそんな「ギア比の最適化」について基本的なことから解説していきます。

ギア比とは?自分の使っているギアを把握しよう!

自分でも簡単にできるクリーニング

まずは「ギア比」という言葉について理解する必要があります。

ギアはロードバイクの変速を行うパーツで、フロント・リアの2種類によって構成されています。

ギアの大きさは「歯数」によって表示されています。

よくスプロケットやチェーンリングを見てみると「50T」や「24T」「11T」などの表示がありますが、これはギアの歯数を表しています。

フロントの場合、歯数が「多い=重たい」「少ない=軽い」となり、リアの場合「多い=軽い」「少ない=重たい」という特性になっています。

ギア比の最適化のためには、今自分が使っているパーツの歯数を把握する必要があります。

フロントのチェーンリングであれば、「50-34T」「52?36T」といった種類が完成車についているでしょう。

リアのスプロケットには、さまざまな種類があり、例えば、「SHIMANO 105」であればラインナップは以下のようになっています。

【SHIMANO 105(11段)】
・11-28T
・11-30T
・11-32T
・12-25T

完成車のスペック表を確認して、自分が使ってるロードバイクのギア比をチェックしてみてください。

「クロスレシオ」と「ワイドレシオ」

リアのスプロケットにおいては「クロスレシオ」と「ワイドレシオ」という2つの言葉を理解する必要があります。

「クロスレシオ」とは、隣り合ったギアの歯数が近いものを指します。

例えば、リアのスプロケットが「12?25T(11段)」の場合、以下のような構成になります。

「12-25T(11段)」
12-13-14-15-16-17-18-19-21-23-25T

このように、ギアの歯数が1、2つ飛ばしと近いのが「クロスレシオ」です。

それに対して、「ワイドレシオ」は隣り合ったギアの歯数が遠いものを指します。

「11-32T(11段)」
11-12-13-14-16-18-20-22-25-28-32T

このように、ロー側(軽い側)が3、4つ飛ばしになる構成になっています。

それぞれの特徴としては以下のようになります。

  • ・クロスレシオ:変速がスムーズ、メカトラブルが少ない
  • ・ワイドレシオ:ギアの幅が広い、上りで対応できるギアが持てる

クロスレシオは、歯数の幅が狭い分、変速がスムーズに行えます。隣り合ったギアの差が小さいため、路面に応じた細かい調整も可能です。

ワイドレシオは、選択できるギアの幅が広いのが特徴です。リアで30Tや32Tといった軽いギアが選択できるため、上りに対応しやすくなりますが、ギアの差が大きくなるため、細かい調整は難しくなります。

ここでは、SHIMANO ULTEGRAのスプロケットを例にクロス・ワイドの違いを見ていきましょう。

【SHIMANO ULTEGRA】
・11-12-13-14-15-16-17-19-21-23-25T→クロス
・11-12-13-14-15-17-19-21-23-25-28T→中間
・11-12-13-14-15-17-19-21-24-27-30T→ワイド
・12-13-14-15-16-17-18-19-21-23-25T→クロス
・14-15-16-17-18-19-20-21-23-25-28T→クロス
・11-12-13-14-16-18-20-22-25-28-32T→ワイド
・11-13-15-17-19-21-23-25-27-30-34T→ワイド

自分に合ったギア比を選んでみよう

ギア

ロードバイクに乗っていると以下のような問題が生じることがあります。

  • ・上りでギアが足りない
  • ・トップ目のギアはあまり使わない
  • ・間のギアがなくてスムーズに加速できない

これらの問題が生じている場合、ギア比を変えることで解決が可能です。

例えば、上りのギアが足りない方であれば、リアのロー側(軽い側)の歯数が多いスプロケットを選択したり(例:11-32T、11-34Tなど)、フロントのチェーンリングを小さくしたり(例:52-36T→50-34T、46-34T)といった解決策が考えられます。

トップ目のギアをほとんど使わない場合には、そこを削ってクロスレシオ化して快適な変速性を手にれるというのも得策です。(例:11-30T→14-28T)

ギアが飛びすぎてスムーズな加速ができない場合には、ワイド過ぎるギアを使っているのが原因なので、クロスレシオなギアを選んで間を詰めてみましょう。(例:11-30T→12-25T)

まとめ

ギア比の最適化について解説していきました。

  1. ①自分が使っているギア比を把握する
  2. ②今使っているギアの問題点をピックアップする
  3. ③自分のスタイルに合ったギアを選択する

こういった順番でギア比を最適化して、自分に合った走行性を手に入れてみてください。

フロントとリアの組み合わせによって乗り味が大きく変わるため、さまざまなパターンの中から自分にぴったりなものを見つけてみましょう。

この記事もよく読まれています!

コラム一覧