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自転車ベルの正しい使い方を理解しよう

先日、自転車のベルを鳴らした子連れの母親に対して男性が激昂したニュースが話題となりました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/06883dbc5e14d9bd7dc6d6761eefe600529017b1

歩道を走っていた自転車が前を歩く男性に対してベルを鳴らしたところ、カゴを掴み、恫喝のような言葉を浴びせたという内容でした。

ニュースに対する声には、激昂した男性に対する批判がある一方で、歩道で歩行者に対してベルを鳴らした自転車に対する批判も目立ちました。

そこで今回は自転車のベルの正しい使い方について解説していきます。

ベルの使い方を正しく理解して思わぬトラブルを防ぎましょう。

自転車のベルは法律によって装備が義務付けられている

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まず大前提として自転車のベルの装備は義務付けられています。

道路交通法では必要な場面において「警音器を鳴らさなければならない」と記載されており、自転車においては警音器に該当するベルの装備が求められます。

ベルをほとんど使ったことがない方も多いですし、使わないなら付けなくていいと思うかもしれませんが、法律によって義務付けられているので、小さなものでも装備してください。

自転車のベルはどんなときに使うもの?

では、次に自転車のベルの使い方について詳しく解説します。

「鳴らすべき場面」と「鳴らしてはいけない場面」を理解した上で、正しくベルを使うようにしましょう。

必要なとき以外には鳴らしてはいけない

自転車のベルは必要なとき以外は鳴らしてはいけません。

『車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。』(e-Gov「道路交通法」より引用)

このように法律で定められた「警音器を鳴らさなければならない場面」以外での、クラクションやベルの使用は禁止されています。

ベルを鳴らさなければならない状況

では、自転車のベルを鳴らさなければならない場面は何なのか詳しくみていきましょう。

道路交通法第54条「警音器の使用等」の項目では以下のような内容が定められています。

・左右の見通しのきかない交差点や道路の曲がり角
・見通しのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行するとき
・山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間

このように目の前の相手をどかすために使用するためのものではなく、「見通しの悪い」状態の中で自分の存在を相手に知らせるために使用しなければなりません。

歩行者をどかすために使用してはならない

法律によって上記のように記載されているため、歩道で目の前を歩く歩行者をどかすためにベルを鳴らしてはいけません。

法律では「危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない」とありますが、歩道を走行している以上、この解釈は適用できません。

そのため、通常の場合において歩行者をどかす目的で自転車のベルを使ってはいけません。

ただし、ブレーキが故障して止まれないなどの状況であればベルによって危険を知らせるという使い方ができるでしょう。

その他にも、車道を走行中に信号を無視した歩行者が目の前に現れた場合なども、ベルを鳴らして警告をすることが認められています。

目の前に歩行者がいる場合は「一時停止」をする

歩道を走行している以上、自転車は徐行しなければなりませんし、たとえ目の前を歩行者が歩いていてもベルを鳴らしてはいけません。

このような状況になった場合は、一時停止をするなどの対応をしなければなりません。

その他の対応があるとすれば、自転車から降りて歩行するなどがあるでしょう。

まとめ

自転車のベルの正しい使い方を解説しました。

歩行者をどかすためのものではなく、あくまで「危険を知らせる」目的で使用するものなので、ルールをしっかりと把握しなければなりません。

自転車のベルの使い方を正しく把握して、余計なトラブルを防止しながら安全な運転を心がけてください。

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